令和5年度 昭和大学附属烏山病院 秋季公開講座


2023年11月25日(土)13:30〜14:30 昭和大学附属烏山病院 入院棟1F 食堂ホール

司会 中村 善文(昭和大学医学部精神医学講座 医師。以下、中村(善)):

 それではお時間となりましたので、令和5年度の昭和大学附属烏山病院秋季公開講座を始めさせていただきます。私、前半の司会を担当させていただきます、昭和大学医学部精神医学講座の中村善文と申します。よろしくお願いします。

司会 今井 美穂(昭和大学附属鳥山病院 臨床心理士。以下、今井)

 後半の司会を担当させていただきます当院リハビリテーションセンターの臨床心理士、今井と申します。よろしくお願い申し上げます。

中村(善)それでは第1演題『発達障害専門デイケアの取り組みとその効果』~一人ひとりのゴールを目指した支援~ を、昭和大学附属烏山病院 作業療法士の水野健さんにお話しいただきたく思います。ご講演に当たり、水野さんのご紹介を簡単にさせていただきたく思います。

 水野健さんは、認定作業療法士として2002年資格習得後、一貫して精神障害領域の作業療法やデイケアに従事しております。2017年より現職につき、デイケアで発達障害専門プログラムを多く担当しております。それでは水野さん、よろしくお願いいたします。

演題① 『発達障害専門デイケアの取り組みとその効果』~一人ひとりのゴールを目指した支援〜

 

     水野 健 昭和大学附属烏山病院 作業療法士

水野 健 (昭和大学附属鳥山病院 作業療法士。以下、水野)

 はい、ありがとうございます。改めまして烏山病院デイケアのスタッフの水野と申します。皆さん、今日はどうぞよろしくお願いいたします。

 先ほど、中村先生からご紹介いただきましたが、略歴を初めて書きました。中身としてはそんなに大したものではないので、今日は自分の自己紹介をしてから、少し皆さんにお話を聞いていただけたらと思っています。

 今日、お話しする内容としては、当院のリハビリテーションセンターでやっています発達障害の方に向けたプログラムの、どのようなことをやっているかということと、どういう効果が得られているかというところです。そしてあとは、お一人お一人それぞれのゴールを目指して、どのようにお手伝いができているかというお話ができたらなと思います。

 先ほど、「自己紹介をします」と言ったんですけれども、特に私は趣味もないのですが、最近ちょっとマラソンをまた始めたりして、ちょうど1カ月ぐらい前に、写真に写っている横浜マラソンにこの間、出てきました。

 以前からちょこちょこ走っていたんですけれども、久しぶりに走りました。天気もよくてよかった。横浜マラソンは、これを見ていただくとわかるのですが、途中から高速道路を走るんです。22~23キロを過ぎたあたりから高速道路をずっと走っていくというようなコースどりになって、改めて気づいたことは、高速道路はやっぱり車が走るところで、人が走るところではないなと感じました。

 

 まず、精神科デイケアとはということですけれども、既にご存じの方もたくさんいらっしゃると思いますが、ちょっとだけお話、説明をさせてください。

 デイケアとは、精神疾患や障害、あとは生きにくさにつながるような特徴を持つ方が――集団療法プログラムと書いてありますが、もちろん1対1での支援も行いますが――皆さん集まってグループの中でのやりとりや交流の中で、一つは症状の再発を抑えたり、社会に適応するようなスキルを身につけたりするような場であります。

 目指すところは社会参加を目的とした支援の場です。精神障害リハビリテーションの治療の一つと言われているものです。この社会参加という言葉は、よくわかりにくい言葉かなと思うんですけれども、恐らく広く捉えていい言葉なのかなと思っております。

 

 それぞれの方がどういうふうに社会とつながっていくかということは、それぞれの方のそれぞれの形があると思います。お仕事をするという形の方もいるかもしれませんし、入院をすることなく住みなれた場所で生活し続けるということを社会参加と捉える方もいらっしゃるかなと思います。さまざまな社会参加がありますので、お一人お一人、利用者の方の目標や目的に合わせて支援を行っていく場ということが言えます。

 特徴としては、右のほうに書いてありますけれども、さまざまな職種がかかわります。病院自体がいろいろな、いわゆる専門職と言われている資格を持ったスタッフが働いている場です。デイケアも同様に医師がいて、精神保健福祉士がいて、看護師がいて、心理士がいて、作業療法士がいて、もちろん事務のスタッフもいます。あと、烏山病院のほうは、ピアスタッフといって当事者の方が同じデイケアに入ってスタッフとしてサポートをしてくださるというような仕組みをとったりもしております。

 

 デイケア自体は、歴史的には長いんですけれども、以前は長期入院をされていたような、主に統合失調症の方が対象だったデイケアが多く、退院をしたけれども家で何もすることがないとか、どうしても家にいちゃうと調子を崩しちゃうという方が多いというところで、地域生活の受け皿的な形で発展をしてきた歴史があります。

 昨今は機能分化といって、例えば疾病ごとであったり、病気であったり、障害ごとで少し特徴を持たせたデイケア、専門性を持ったデイケアがふえてきているということが言えます。当院の場合、烏山病院の場合は、発達障害にフォーカスをして専門的に取り組んでいるということになっております。

 

 発達障害の現在の治療とリハビリテーションというスライドです。今言われているところではASD、ADHD、あとSLD(限局性学習症)があります。ASDのほうは、いわゆる原因を取り去るような治療というのはまだまだ研究段階。ADHDも同様です。お薬を使った治療というのは、基本的にはASDでは今はありません。ADHDのほうでは、この三つのお薬が今使えますよということになっております。こちらのお薬ですとか、原因を取り去るような治療が十分ではないと。

 現時点では、いわゆる心理・社会的治療と言われるカウンセリングであったり、デイケアであったり、作業療法というものが必要ですし有効であると言われております。ですので、当院のほうでは――デイケアですね――に力を入れて取り組んでいるというところです。

 

 この「Rehabilitation」という言葉。ここはリハビリテーションセンターという名前でやっていますので、結構、皆さん、耳なじみもあるかなと思います。あとはどうですかね、あまりニュースとかでは聞かないかもしれないですが、それほど珍しい言葉ではないかなと思います。改めて「Rehabilitationとは」ということをお話しさせていただきたいと思います。なぜかというと、私、作業療法士という職種ですけれども、「作業療法士はリハビリテーションの職種ですよ」と言われたりしているものですので、少しだけお話をさせてください。

 Rehabilitationということですけれども、つくりとしてはreとhabilitationにまず分けられるということです。reは皆さんもご存じかと思います。再びとか、もう一度とか、そんな意味合いですね。habilitationのほうはラテン語がもとになっているらしいんですけれども、適したとか、フィットしたとかいうような意味合いのものになっています。

 ですので、このRehabilitationをそのまま直したりすると、再び合うような形、「適合される」というような意味合いになります。なので、もとの状態に回復させるとかいう言葉のイメージになるのかなと思います。もともとのこの言葉だけ見るとそういうことになるかなと思います。もとの状態に戻そう戻そうみたいな言葉のイメージが、もしかすると強くなっているのかもしれません。ですので、生きていった中で、途中で何かけがをしてしまったりとか、病気になってしまったりということで、いわゆる中途障害と言われるようなものをイメージされる方もいるのかなと思います。

 

 発達障害の場合は、途中で急に発達障害になるわけではなくて、いわゆる生まれ持っての生来のものというふうに言われておりますので、この言葉が適当なのかという議論も起こりそうなところではありますが、もっともっと時代をさかのぼって見ていくと、このRehabilitationという言葉は中世や近世のヨーロッパではいわゆる宗教の、キリスト教の破門の取り消しだったり名誉の回復みたいな、そういう意味合いで使われていた言葉ということです。

 

 日本でも、社会の偏見とか、ちょっと間違った政策の誤り等のために奪われてしまった人権であるとか、傷つけられてしまった尊厳ですとか、そういう本来あるべき姿に戻そうという意味合いで、本来は使われていってもいい言葉なのかなというふうに思います。

 ですので、日本語でいうとRehabilitationを、全人間的復権、人らしさであるとか、その人の権利であるとかというところをもとに戻そうという意味合いでもあると言っている方もいらっしゃいますので、このRehabilitationという言葉は、生来のものである発達障害の方にもフィットする言葉なのではないかと、私は考えております。

 

 では、このリハビリテーションセンターでどんなことをやっているのか。いろいろなことをやっているんですけれども、今日は発達障害のプログラムに限定してお話をさせていただきます。

 先ほどお示しした二つ、ASD、ADHD、それぞれにグループがあります。いろいろな分け方があるんですけれども、大きくASDとADHDのグループ、そして平日と土曜日で、お仕事している人、していない方、これからしようと目指している人などというような分け方でやっております。あとは真ん中に学生のグループというものもつくっています。特にASD、ADHDを分けることなく、学生というライフステージの中の一定の役割の中で集まっていただくグループもつくってやったりもしています。

 こんなふうに、先ほどいろいろなことをやっていますと言ったんですけれども、発達障害向けのプログラムだけでもこれぐらいたくさんやっております。今日、時間の関係で(4ページ)赤枠のところ、三つぐらいのご紹介とお話ができたらなと思っております。

 

 発達障害の専門プログラムです。ASD、それからADHD、あとは学生のプログラム、三つございます。それぞれ目的は共通していて、まずお互いの思いや悩みを共有する。2番目、新しいスキルを習得する。そして3番目で自己理解を深める。四つ目が、自分に合った「処世術」を身につける。対処法という言い方をしてもいいかなと思いますが。この四つを目的としております。

 やはりこの1番の、お互いの思いや悩みを共有するというところ。なかなか同じ障害であるとか困り事を持つ方に出会ったことがありませんでしたとお話しする方、デイケアに来るまでわかりませんでしたという方、たくさんいらっしゃいます。そういうところでまず一つなのかな。

 そして、3番の自己理解を深めていったりとか、スキルを習得する。こういうふうにすると少し楽になるよとかいうものなどを知っていくことで、より生活しやすくなるということを目指してやっております。

 

 これはASDの全20回のプログラムを少し大きくしたものです。ASDの方が苦手と言われているコミュニケーションの内容もありますし、感情のコントロールというようなものですね。こういうものも中身に入っております。

 あともう一つ、結構大事だなと思っているのは、このピアサポートというところです。先ほど、ピアスタッフという言葉を出しましたが、ピアというのは「同じ立場の」とか「仲間の」というような意味です。このピアサポートは、参加者同士が参加者を支え合ったりとか、悩みを解決するようにワークをしていくというような内容も入っています。やはりここの力はすごく大きいなと感じております。

 

 こちらがADHDです。ADHDのプログラムは全部で12回。今日も私は午前中、ここが5回目の「不注意(計画性・時間管理)」の回を担当してきたんですけれども。こちらもやはり参加者の皆さんの経験や悩み事などをベースに、皆さんでディスカッションしながら支え合ってやっていくというような流れで進めていくものになっております。まだ5回目なんですけれども、参加者の皆さんが仲がいいというか、すごく交流を活発にされて、とてもいいグループでした。

 

 それからこちらは学生グループです。学生グループは全11回で構成をされています。学生さんですのでこれからお仕事をしていきますので、そういうところに特化したような就職活動準備編という回で4回とっていたりします。学生さんならではの困り事などにフォーカスをして、プログラムをやっていきます。

 例えば、「上手な会話」というところですと、「教員の先生に話しかける」というものであったりとか、そういうところをテーマにやっていきます。やはりどのプログラムもそうですけれども、ご自身で特性であったり、苦手だけではなくて得意なことも含めて自分の特性を理解していくという、この自己理解にしっかりと力を入れてやっていくというプログラムの構成になっております。

 

 ASDのプログラムに参加された方の効果というところでは、少し自閉症的な特徴・傾向が軽減したということです。これはより社会的に受け入れられるような表出の形になったと理解することができるだろうと思いますし、コミュニケーションのスキルや生活の質が上がりましたという評価が得られています。

 参加された方は、先ほどピアという話もしましたけれども、「友人・知人に支えられている」というような感覚を持てたり、「居場所がある」というような感覚、そして「自分らしく生きられるようになった」という感想が得られています。お仕事のほうにもつながる方が多かったということですし、今までお仕事をされていたような方は、その仕事が継続できるような効果がありそうだという結果が得られております。

 

 ADHDのグループのほうも、不注意症状の改善が主に見られたというところです。あとは、不安ですとか抑うつですとか、生活の質が改善しましたという結果が得られております。

 ADHDのグループに参加された方のコメントを、いろいろな方からたくさん聞かせていただいたことを集めて、それをまとめて整理したものです。「ADHDの特性を(理解)する機会になりました」「少しずつ行動が変化をしていきました」というものもありますし、「支える仲間がいる場所を手に入れることができた」とコメントしてくださっている方がいらっしゃいました。

 

 次は学生グループ(の効果)になります。こちらも社会的な適応のよさが上がったり、生活の質が向上しているということ。あと、今まで休学していたり社会と距離を置いていた方が再び社会とつながれるようになったり、バイトやインターンを始めましたということで、また外に出ていったりとか、つながっていくというような「社会との接点を持つ行動が増加した」という結果も得られています。

 あともう一つは、さまざまな支援とつながる割合がふえたというのも、一つ大きな効果なのではないかと考えております。やはり支援者とつながる、それから支援が得られる環境に身を置くということは、なかなか困り事や苦手なことを持っている方にとっては、生きやすくなるためのものかなと思います。ここも一つの効果だと言えると思っております。

 

 この専門プログラムを修了された方は、そのほかのデイケアのコースもご案内をしています。こちらの専門プログラムの中で仲間と出会ったり、自分はこういうところが得意なんだとか、こういうことがまだまだできるんだとか、苦手なところもこういうふうに対処すれば全然大丈夫じゃんと思えると、次の目標や次のステップに進んでいこうかなという気持ちになれるようです。ですので、まずしっかり専門プログラムは大事にして、こちらのデイケアに進みやすいような形で支援を行っております。

 

 発達障害の方、実はどういうふうになりたいかな。「なりたい自分」と書いてありますけれども、目標を持つことが難しかったりする方が結構いらっしゃいます。やはり特性の影響もあると思います。例えば、先のことが想像できないということも一つあるでしょう。それからそもそも自分のことがよくわからないというのも影響しているのではないかなと思います。何ができるのとか、どれぐらいできるのというところ。やっぱりわからないので、「ちょっと目標を考えましょう」と言っても「えっ」と固まってしまう方がいらっしゃいます。

 それから、目標を決めても継続して頑張り続けることが難しいという場合もありますし、失敗経験が積み重なって目標を立てること自体が、もう疲れちゃうというようなことですね。何かをやろうという気力がなかなか湧かないという方もいらっしゃいます。

 あとは、私も目からうろこというか、勉強させてもらったことなんですけれども、目標って決めてしまうと、それをやらなければならないとか、そういうふうに思ってしまう方がいて、言葉に縛られるような形で、そのとおりにやらなきゃいけないとか、やれなかったら「もうだめな自分」みたいに思ってしまうので、なかなか目標を立てられませんという方がいらっしゃいました。

 

 でもきっとそれぞれ皆さん、なりたい自分とか、こうしたい、こうなりたい、こんな形で社会とつながりたい、社会参加したいという気持ちをお持ちの方、多いと思います。ですので、デイケアではそういうところを、この難しさを持ちながらもそれぞれが輝けるような支援をしています。そのために、デイケアのプログラムがあります。先ほどのような自己理解を深めるようなプログラムがあります。

 それからもう一つは仲間がいます、というところですね。一緒に頑張れる仲間がいると目標を立てても頑張れるかなということ。あとは身近な仲間が目標となるということです。こんな人になりたいなとか、この人ができるなら俺もできるかなと思ったりする人もいるみたいです。そのような仲間がいたりする。

 あとは、支援のスタッフもいますので、一緒に目標設定をしていったり、振り返りシートで目標を立てて一緒に振り返ったりしながら、この「なりたい自分」、お一人お一人のゴールを目指してやっています。

 

 時間もないのですが、ちょっとおまけで、「よい目標の立て方のコツ」というスライドをつくってみたのでご紹介したいと思います。やっぱり目標がないと、なかなか前に進みづらいですよね。デイケアに来たけど目標がないといったら、デイケアはなかなか継続も難しいので目標を立てることは大事です。私もこの間マラソンを走りましたけれど、ゴールがあるから走れたようなもので、いつ終わるかわからないけれど走りましょうと言われたら、まあまあ嫌です。

 目標を立てるのには必要、かつ達成可能なものでなくてはいけません。この達成可能かどうかを考えるのが難しいところはあるんですけれども、あまりにも飛躍し過ぎちゃったり、理想が高過ぎるよなんて言われるものはちょっと避けたほうがいいでしょうということ。あと表現の仕方です。一つ目標としては、行動で表現するということを立てるとわかりやすくなるかなという形です。

 受け身とか状態とか否定形は使わないということです。「何とかしない」とか、「食べない」「走らない」というのではなくて、「歩く」とか行動であらわしましょう。「座っている」とかではない。状態ではない。行動であらわしましょうということになります。

 

 あともう一つ大事なところは、目標の達成の可否の判断が可能というところです。ここがなかなか難しい。工夫としては、数字であらわしたり、誰が見ても、これはできたね、できてないねとかいうようなものがいいでしょうということです。行動とか基準とか、どういう手段でとか、こういうところも含めて明記されていると、いい目標で、本人も頑張れる目標になるのかなと思います。

 私はこの間マラソンを走りましたけれども、「マラソンを頑張る」という目標だと多分難しいんですよね。なので「横浜マラソンで42.195キロ、5時間以内にゴールする」「歩いてもオーケー」としてあげることで、自分としても目標が明確になって、何を頑張ればいいのかなとか、どこまで何をすればいいのかなというところになり、目標を持って取り組みやすくなるんじゃないかなということを考えております。

 

 最後、まとめとしてデイケアでの支援ということで、烏山病院のリハビリテーションセンター、デイケアでは、発達障害の専門プログラムを入り口にさまざまな支援を行っております。まずリハビリテーションセンター、デイケアにつながることで、安心して過ごせる場所というところが一つ、なればいいかなと思っております。

 その中で、ご自分と似た特性を持つ仲間たちと出会えるという経験は、すごく大きいのではないでしょうか。そしてプログラムの参加を通して自己理解が促進されることで、少し不安が軽減したり、元気になっていきます。そして、その安心できる場所があることで次のステップに一歩踏み出せるようになって、お一人お一人がなりたい自分へなれるような支援をこれからもしていきたいと思っております。

 このように階段があると思います。一歩一歩。二段抜かしじゃなくて一個でいいですし、場合によってはこんなに一段が高くなくてもいいということもあるかなと思います。一個一個上っていければいいのかなと考えています。スタッフはこの一段をどういうふうに上ろうかとか、どこから上ろうかというお手伝いをさせてもらっております。

 この(8ページ下段の)イラストですけれど、ゴールが真ん中にあります。一番上じゃないです。なので、決してデイケアで全てのゴールを達成しよう(ということではない)。通過点でもいいのかなと思います。もっと先も目指していただきたいですし、目標を達成したらさらにその先の目標も出てくるかと思いますので、そこまで見据えて、これからも支援ができたらなとも思っております。

 今日はデイケアで行っているプログラムと支援について、お話をさせていただきました。ご清聴いただき、ありがとうございました。

中村(善)水野さん、ありがとうございました。それでは質疑応答に移りたく思います。ご質問等ございましたら挙手をお願いいたします。――挙手ないか。ないんだね。じゃあ、こっちで質問。挙手する人いないかな。じゃあ、大丈夫かな。じゃあ、私から質問を一つよろしいでしょうか。

水野:はい。

中村(善)ADHDグループのほうは、たしか最近だとほかのクリニック等にも適用できるよう5回に略式をつくったということも聞いているのですが。どうでしょうか、そちらのほうは。

水野:はい、そうですね。ご質問ありがとうございます。今までの取り組み、支援が全国に広がっていくといいな、全国での発達障害の方の救いになればいいかな、助けになればいいかなと思いますので。さまざまな形でできればいいかなということで、ADHDのグループのほうは12回をベースに始めたんですけれども、ちょっとこれを短縮したもの、5回版というものを開発してやっております。

 こちらもご参加いただいている方からは、よかったよというお声をいただいておりますし、いろいろなところでお話をさせていただいています。ほかのクリニックからも少しずつ興味を持っていただいて取り組んでいるところがふえているように思います。これからもどんどん広がっていくといいなと思っております。

中村(善)ありがとうございました。まだご質問されたい方はいらっしゃると思いますが、お時間の関係上、第1演題はここまでとさせていただきたいと思います。水野さん、ありがとうございました。もう一度盛大な拍手をお願いいたします。(拍手)

水野:ありがとうございました。